「夫として、こうあらねば」を手放した日:うつ休職・克服・転職までの7カ月

夕日を背にした男性が座っている画像と、キャッチフレーズ「夫として、こうあらねば」を手放した日、うつ休職・克服・転職までの7カ月というテキストが含まれています。

本記事は、ご契約時にご本人の許可を得た上で、個人が特定されない範囲で支援記録の一部を修正・再構成して掲載しています。

「しばらく休職しませんか。

 心療内科を受診して
 まずは診断書をもらってきてください」

その一言から、Oさんの休職初日は始まりました。

関東在住、40代の管理職。

眠れない、動悸、得体のしれない不安感
落ち着きなく室内を動き回ってしまう自分。

同僚や家族に迷惑をかけているという罪悪感。

診断されてしまった自分への情けなさ。

元気にしている人たちへの羨望。

「まさか、、自分が精神科の患者?」

「休職中のあいつも、退職したあいつも
 ぜんぜん治ってないじゃないか!」

取り返しのつかないことになってしまった
という恐怖…これらが、同時に襲ってきたといいます。

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▶知ることと、できることは違う


Oさんは管理職として、社内のメンタルヘルスの研修を受けておられました。

しかし実際に当事者になってみて、それは机上の空論だった…
キレイごとだったと分かったといいます。

日光を浴びる、瞑想する、ストレスを溜めない?
生活習慣が大事、睡眠が大事?

いや、頭では理解しているし。

でも、理解していることと、
できることは、全く意味が違ったんだと。

まとまった睡眠がとれない日々が続き
味覚も消えつつあったそう。

処方が変更、十分な説明がないことがあったと。

主治医への不信感が出てきた段階で
私の研究所にご相談をくださいました。

勉強熱心なOさんを、さらに追い詰めたのは
周囲の何気ない一言でした。

「しっかり休んでください」

…え、どう休むの?

「焦らないでね」

…え、勝手に焦りが出てくるんだけど。

たわいもない会話の中で発せられる
言葉の一つ一つでした。

眠れていない脳は五感が異常に冴えるため、
過剰に受け止めてしまう状況に陥っていきました。

「両親や奥さんに素直に話したら心配かけるし
 同僚に話しても多分、すぐバラされる」

「友達は居るけど、ある意味
 ライバルのような関係性だから」

「皆、きっと自分に呆れているはずだ」

病気とは別の、新たな悩みがそこに
生まれていったのです。

誰にも本音を話せない孤立——

これは、抑うつ状態になった方々の
多くがたどるパターンですね。

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▶「変わりたいですか」という問い


Oさんのお話を遮らないように伺いながら、
気がつけば1時間が経っていました。

話し終えたOさんにお伝えしたのは、
たった一つの問い。

「この状況、本気で変えたいですか」

「もちろん!」

ハッキリとした口調で、即答でした。

回復する人と、回復しない人の一番の差は

「変わりたいと思っているかどうか」

そう言うと、当然だと思う方も多いでしょう。

しかし、うつが長期化したり、
休職や再休職を繰り返していると

「社会復帰することへの恐怖」

「安心安全な状況からの脱出」

ここに大きなストレスを感じるようになります。

異常なほどの恐怖は、年月が経つほどに
諦めという名の何かへと変わっていくのです…。

「結局、自分にはムリなんだ」と。


Oさんの即答には、この先の展開を
決定づける強さがありました。

▶医師への幻想と、自分で考える覚悟


休職中にまず一緒に整えたのは「睡眠」でした。

睡眠導入剤と抗うつ薬を処方されていましたが、
薬に対する不信感も強く出ていました。

「主治医の対応が適当だから」と。

でも適当と感じたのは、精神科医・心療内科医に
対する良いイメージを持っていたからでした。

優しく目を見て、しっかりと話を
聞いてくれるだろうという幻想。

看護師がいて、先生の補助的な
役割をしてくれるのかなという淡い期待。

(人間って、期待を裏切られると怒りに変わりますよね)

もちろん、心の通った診療をされている
先生も実際におられますし、私も存じ上げています。

声を聴いているだけで癒される、
そんなパワースポットのような先生も。

しかし、実際には看護師なんていないし
白衣を着た医師は淡々とした口調で

「じゃ、とりあえずこの薬を飲んでみて」と
PC入力に忙しそうにしている。

そのとき、Oさんは気づいたそうです。

「これ‥‥自分で考えないと、どうなるか分からない」

自分で考えないと、どうなるか分からない」

この強烈な違和感こそが、冒頭の
「変わりたい」に込められていたのでした。

眠剤が効かないのではなく、
薬への不信感を取り除くワークを行い
就寝環境をZoom越しに確認していきました。

寝る前の数時間が、睡眠の質に直結していることも
初めて知ったといいます。

仕事について考えるのは、
まず睡眠が整ってから一緒に考えましょう——

何度も何度もお伝えしましたが、
職場からメールが来ると、すぐに仕事モードに
切り替わってしまう状況が続きました。

奥様との関係性も見直しました。

奥様は職業柄、うつに関する知識がある方だったので
声掛けの方法などを助言し、
二人三脚でOさんを支えていきました。

「何があっても私たちは、あなたの味方だからね」と。

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▶固定観念という、本当のストッパー


数カ月の休職期間の中で、Oさんは
体調を取り戻すと同時に、転職を考え始めました。

体を壊すまで頑張っていた仕事と向き合う中で
潜在意識を見直すワークを通じて、Oさんの中に

「夫として、こうあらねば」
「管理職として、40代の男としてこうあらねば」
「社会人として、普通は」

という、バキバキに固定された価値観が見えてきたのです。

薬が減っても、薬なしに眠るようになっても
体調そのものが安定してきても、
この「本当は……」を何度も何度も対話を
通じて掘り下げていきました。

転職に踏み切れない何かがある。

望む未来へ向かうためのストッパーになっている考えを
一つずつ洗い出していったのです。

▶半年後、Oさんが選んだ道

半年後、Oさんは断薬に成功し、
再発防止策を理解した上で、転職されました。

その過程で見えてきたことの一つは
「メンタル不調で休職した自分」そのものを
Oさんが受け入れられずにいたということでした。

履歴書はどうにでもなります。

理由だって、バカ正直に言わなくていい。

「え、いいんですか?」という言葉から、
本当に真面目な方だったことが伝わってきますね。

過去の自分を知られていない環境で心機一転!

得意を活かせる領域に環境を変えることは
Oさんの再発防止策の一つとなっていきました。

明るくなった夫の姿を見て、
奥様も安心された様子でした。

Oさんは、こう言わてましたね。

「奥さんが仕事をしていてくれたから、安心して
 休職することも転職することもできました。

 働く女性(妻)に助けられているのは
 パートナーの男性の方かもしれませんね」

Oさんは、家族に甘えられず
全てを一人で抱え込んでいたのです。

その結果としてうつを招いたのだとしたら、
同じ考え、同じ生き方を続ける限り…

必ず再発します。

▶おわりに


伴走途中には、インフルエンザや捻挫など
色々ありましたが、思考錯誤の伴走しつつ
根っこから立て直しました。

こうしてOさんとのご契約は終了。

(その後、お元気ですか)

回復とは、症状が消えることだけではありません。

自分を縛っていた「こうあらねば」
という価値観から、少しずつ自由になっていく
プロセスでもあります。

家族の体調不良、休職、無職など。

これって経済的な大黒柱が一人しかいないと、
途端に揺らいでいきます。

大黒柱が一人ではなく二人で支え合えていれば、
万が一奥様が休職しても旦那さんが休職しても、
経済的にはどうにかなる。

そんな支え合える関係は、
実はとても心強いものですね^_^

傷病手当は永遠にもらえるわけではありません。

残念ながら、会社も社会も一生面倒を見てくれる
わけではないのです。

生活保護受給者にならない限り…

だからこそ、自分の生き方、働き方、健康も、
自分が主役になって考えていくこと。

この姿勢が大事だと、私は多くの
伴走事例から痛感しています。

Oさんは契約期間内の7ヶ月で再起動されました。

人生の中で半年、1年程度、一旦立ち止まって
再起動のための調整をしていく。

それは決して無駄な時間ではありません。

私自身、かつて心身を崩し、
一年ほど歩みを止めた経験があります。

あの1年間がなければ、私は10年経た今でも
うつ病を抱えたままの人間だったと思います。

しかし、この気づきは一人では得られませんでした。

1時間も話を遮らずに聞く人、
薬への不信感を一緒にほどく人、
固定観念を何度も対話で掘り下げる人——

そうした伴走があって、
Oさんも約半年でここまでたどり着けました。

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もし今、あなたが休職中の戸惑いの中にいるなら、
まず整えるべきは「回復の基盤」です。

3ヶ月回復基盤プログラムでは、
Oさんが最初の3ヶ月で取り組んだような、
睡眠・薬との向き合い方・固定観念の洗い出しを
一つずつ一緒に整えていってます。

本人用:3ヶ月プログラムはコチラ▼

【3ヶ月】立て直しプログラム

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そして、Oさんの奥様のように、
そばで支える家族にも、専用の伴走が必要です。

家族支援3ヶ月プログラムでは、声のかけ方
距離の取り方、支える側が抱える孤独への対応を、
家族自身のためにサポートします。

もちろん、専門職として個人情報はお守りまします。

▼ご家族用:3ヶ月プログラム▼

ご家族のことで悩んでいる方へ

後生川うつ専門研究所|ご家族のための支援 うつ病のご家族を支えるあなたへ。家族だけで、答えを出し続けなくて大丈夫です。 「何と声をかければいいのか」 「このまま見…



一人で抱え込まなくていい。

それは、当事者にも、支える家族にも、

同じように言えることですね^_^

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