家族が無理に説得すると、かえって関係がこじれることがある

後生川うつ専門研究所の後生川礼子です。

うつ病のご家族を支えている方から、

「何を言っても聞いてくれません」

「病院に行こうと言っても嫌がります」

「少し散歩したら?と言っただけなのに怒られました」

「仕事のことを話すと、急に黙り込んでしまいます」

そんなご相談をいただくことがあります。

ご家族としては、何とか前に進んでほしい。ただ、それだけ…

だから、と声をかける。決して、責めたいわけではありません。

ところが、その言葉が積み重なることで、本人と家族の関係が、少しずつこじれていくことがあります。


家族には「助言」でも、本人には「責められている」に聞こえることがある

うつ状態にあるとき、本人はすでに自分自身を責めていることがあります。

「働けていない」

「家族に迷惑をかけている」

「以前ならできたことができない」

「この先どうなるか分からない」

その状態で、

「もう少し動いた方がいいよ」

「このままで大丈夫?」

「何かしないと変わらないよ」

と言われると、家族が意図した以上に、

「あなたのせいで困っている」

という意味に聞こえてしまうことがあります。もちろん、すべての声かけが悪いわけではありません。問題なのは、

本人が受け取れる状態ではないときに、正しいことを繰り返し伝え続けることです。

正論は、タイミングを間違えると、助けではなく負担になることがあります。

スマートフォンのメッセージアプリに表示されたテキストメッセージのスクリーンショット。日本語で謝辞や感謝の気持ちが表現されています。

「どうして分かってくれないの?」が、お互いに起こる

本人は家族を避けるようになる。

最初は病気の問題だったものが、いつの間にか家族関係の問題にも広がっていくことがあります。


家族が一生懸命になるほど、説得が増えてしまう

これは、決してご家族が悪いからではありません。

むしろ逆です。親として、夫として、妻として、何とかしなければ。

そう思うほど、「本人を動かすこと」に意識が集中してしまいます。

でも、本人を動かそうとすればするほど、本人は守りに入る。

そして家族はさらに焦る。この繰り返しが回復を妨げてしまう可能性があるのですね。


まず考えたいのは「何を言うか」より「今は何を求めないか」

家族相談では、「何と声をかけたらいいですか?」とよく聞かれます。

でも私は、その前に、「今、この人に何を求めない方がいいのか」を整理することがあります。

今は、復職について結論を出させない。

今後の人生について決断を求めない。

毎日「今日はどう?」と確認しすぎない。

何かをしているかどうか監視しない。

本人の状態によっては、そうした「しないこと」の方が大切な時期もあります。

家族が何もしないという意味ではありません。介入の量を調整するということです。


見守ることと、放っておくことは違いますよ

ここも、ご家族が迷いやすいところ。

「何も言わない方がいいなら、放っておけばいいですか?」

そうではありません。見守るとは、無関心になることではありません。

本人を毎日説得することと、状態をきちんと見守ることは別なんです。

ご家族が疲れ切っているケースでは、家族が本人のことを24時間考え続けています。

私は、家族支援の中で、「家族が何をするか」だけでなく、「何をしなくていいか」も一緒に整理することを大切にしています。

▶▶東京のクライアント様

https://ameblo.jp/reiko1105031206/entry-12143266851.html

飛行機の翼から見た山々と集落の景色


「説得する」から「理解して、判断する」へ

説得することより、今の状態を理解すること。

そして、何をするか、何をしないかを判断できること。

そこが整理されると、家族関係の緊張が少しずつ変わっていくことがありますよ。


ご家族からのご相談をお受けしています

ご本人が相談を嫌がっている場合でも、ご家族だけでご相談いただけます。

本人への声のかけ方だけではなく、社会資源なども含めて、今のご家庭に必要なことを整理していきます。

「本人をどう動かせばいいでしょうか」

ではなく、「私たち家族は、今どう関わればいいでしょうか」から一緒に考えていきますね^_^

ご家族向け支援の詳細はこちら
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初回個別面談はこちら
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※自傷・他害の危険、強い希死念慮、急激な状態悪化など緊急性がある場合は、家族だけで対応しようとせず、主治医・医療機関・救急等への相談を優先してください。